腕時計の「電池交換」だけを、「時計修理」と切り離して扱う風潮があります。
未使用の時計なら、裏蓋を開ける時のホコリ混入は心配ありませんし、
特別な工具を使わないで簡単に、電池交換できる場合もあります。
しかし、腕時計は汗やホコリにまみれ、水や海水さえかかる環境で使われます。
重要なのは「電池の交換」作業ではありません。汚れた蓋をどうやって開けるか、
またどれだけ丁寧に長期間時計を守れるよう、蓋を閉めるか、という課題です。
「電池交換」は、「完全なオーバーホール」よりはるかに難しい作業です。
なぜなら「分解掃除、オ−バーホール」の時とは違い、「電池交換」では
蓋を開ける時のホコリやサビの混入が絶対許されません。（無理ですが）
つまり電池を交換した後はそのまま、機械に手を加えず蓋を閉めます。
（オーバーホールの時計は、その後分解して洗浄、部品の点検をします）
また、もし無造作に時計の裏蓋を開け、何もしないでまたそのまま閉められたら、
例え時計は動き出したとしても、それは「壊された」の終末への出発点なのです。
●参考● これが、電池交換の実際です。（カルティエサントス）
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