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IWC　８５３１の自動巻きユニットをご覧下さい。
たった一枚の特殊歯車とカムがその全てです。
究極の性能は言葉による説明ではなく、
この美しい姿が物語ります。

■IWC■　インターナショナル・ウォッチ・カンパニー、通称、IWC（アイダブリュシー）
他には、インター、とだけ呼ぶこともありますが、その名の通り、国際的な名声を勝ち取った、
スイスの時計メーカーです（厳密に正確には、でした）。半世紀前、IWCは世界でただ一人、
インジュニアと称する、対磁性（磁気の影響を受け難い）をうたった、白金（プラチナ）ケース入りの
腕時計を作ったのです。当時の腕時計はもちろん、全て機械式です。とても磁気に弱く、
磁気を帯びたら壊れる！を当然に、開き直っている中で、その存在は極めて特異でした。
少年心に思いました。誰がこんな見栄えの悪く、更にロレックスより高い時計を買うのだろう！
しかしそれは完全な間違いだったのです。世界中の最先端の科学者から求められていながら、
誰も作らなかったから、あえてIWCが作った最高のプレゼント。量子力学、原子力、電気、電子、
そして医学の、あらゆる分野で日常的に使われる強力な磁力線の中で、IWCだけが腕時計で
いられたのですから。この自動巻きカレンダー付きIWCも、ただ者ではありません。他の誰も
作ったことの無い、創意工夫に満ちているのです。まず時計の心臓に当たるテンプは、腕時計
では他にロレックスしか作っていない、ブレゲー仕様。ゼンマイの香箱も、特別な表面処理が
施された、他に無い最初で最後。また、自動巻きは、たった一枚の歯車を１組の送り爪が巻き、
そのローターの芯は、ショックを吸収するバネに固定されます。更にカレンダーは、瞬間では
ないものの、極めて短時間に送られる、特別なカムを組み合わせた独創的な作品です。
しかしそのような誰の目にも画期的な特徴よりもっと凄い技術が、この時計にはあるのです
輪列と呼ばれる数枚の歯車が組み合わさる仕組みを、天才的な驚きの技で仕上げていて、
理論上の完璧な理想を追求した、腕時計史上に残る、名作に数えられます。

20150328

■ＩＷＣ・インターナショナル
（International Watch Co/Cal・412）
手巻き　１７JEW　
アンティーク腕時計修理