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20161205 修理履歴 オーバーホール 分解掃除
アンティーク腕時計の修理には、精密な部品を修復する高い技術が必要なことはもちろんですが、実はそれ以上に大切な事があります。それは、腕に付けて使われる宿命だから、機械が直っただけでは意味をなさないのです。多くの場合、故障の原因はケースの機密性が無くなって、汗や水が入ったことによります。特にスイスの腕時計は顕著で、防水の要のOリングやパッキン類のゴムが劣化して弾力を失うばかりか、しまいにはコールタール状になって形を失い、汗や水が入ります。数十万円以上する高級時計でも全く同じで、数ミリの小さなゴム一個が原因で、時計を失いかねません。しかし古い時計のオリジナル部品は新品でもすでに同じく劣化していて交換しても解決しないのです。特に難しいのはリューズです。例えばオメガのΩマークが入ったリューズを、他の部品に変えることは絶対に許されません。ただ、密閉されて組み込まれている小さなOリングさえ、国産の高品質のものに交換できれば逆に製造時の新品以上にできるのです。太さが一ミリの5分の1ほどの先が曲がった工具を作り、劣化したゴムを取り出し、更に特別な方法で新しいOリングを挿入します。
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■腕時計修理■オメガ・スピードマスター/OMEGA・SPEEDMASTER/cal,1140」
■腕時計修理・オメガ・スピードマスター/OMEGA・SPEEDMASTER/cal,1140(45石)
スイスで組み込まれたゼンマイの状態。修理の後の特性が楽しみです。
自動巻きのゼンマイは、手巻きのように末端が固定されていません。
端は、一杯に巻かれた後滑って、それ以上の力がかからないように
FULLを保ちながら、更に自動で巻かれ、壊れない仕組みなのです。
スリッピングアタッチメントと呼ばれますが、言葉では簡単でも、実際
はそううまく行きません。ほとんど場合、ゼンマイが一杯になっても
滑り出さず、更に大きな力がかかり続け、時計を苦しめるのです。
また、やっと滑ったと思えば、FULLより戻ってしまう、波打つトルク
その為各社それぞれ、数種類の専用のスリッピングアタッチメント
を開発し対応してきました。しかしどうゆうわけか、スイスの時計は
スムーズに切り替わらず、ゼンマイの性能を出し切れないのです。
そのため、適切なスリッピングアタッチメントを施したスイスの時計
のゼンマイは、最大に巻かれた後なめらかに滑りだし、それでいて
しっかりとFULLを保ったままで止まり、決して戻りません。そんな
製造時新品以上のコンディションに仕上げることができるのです。
そして、時計部分の基盤です。
オメガ(ETA)キャリバー1140のクロノグラフユニット基盤。
ささいな不具合から持ち込まれた時計が、
実はとんでもない事になっていたりします。
時計の文字盤は、時に故障内容を示します
今回も、極めて小さな、肉眼では見えない
赤い点を見つけ、嫌な予感がしました。
時計の悲鳴は、目には見えない欠片、
しかしこれが、最大限の時計の叫びです
オメガスピードマスター、キャリバー1140
クロノグラフメカニズム全景です。
分針、時針とも連続表示なので大きな刻みの歯車がありません。
■OMEGA CAL 1140 スピードマスター
橋本時計店では、オメガのスピードマスターや、ロレックスのデイトナに代表される、クロノグラフ(ストップウオッチ機能付き時計)腕時計はもちろん、舶来時計と呼ばれた小さな南京虫(ゼンマイ式アンティーク腕時計)のオーバーホールから、大きな大型振子時計(フロアクロック、ホールクロック別名グランドファーザークロック)の出張修理。また、ウォルサムなどの懐中時計や昔の置き時計(ウエストミンスターチャイム)、鳩時計、柱時計の愛称(壁掛け)掛け時計、いわゆる古時計を修理します。更にブローバやオメガの音叉式腕時計。音叉掛時計やクオーツでない古いタイプの電子時計、電気時計もオリジナルを変えずに修復修理いたします。クオーツ時計でも、製造メーカーが修理を終えた古い腕時計を、部品を新調して修理致します。電池交換は全て即日渡し。年中無休です。