EMPIRE(英国)エンパイヤ−
もうすぐ故郷のイギリスに帰り、何年振りか何十年かぶりの時を刻みます。
ある日のことです。国連の職員だが、と修理依頼の連絡がありました。
そしてこの置き時計が持ち込まれたのです。白いタオルを幾重にも巻き
それはそれは大事そうに抱えて、、、帰国する在職のイギリス大使から
任されたそのアンティーク置時計は、驚いたことに母国のイギリスでは
直らずに、何代も動かないままだったといい、大使が世界中を持ち歩き
今に至ったもので、なんとか日本で直らないものかと相談され、探した
結果が私だと言うのですが、ゼンマイが切れているわけでも、錆びても
いない、とても綺麗な時計でした。原因はこの↓部品にありましたが、
極めて珍しい、恐らく他に使われたことの無い、長い長い振りペラです
(通常置き時計でも掛け時計でも、古い時計のこの部品は、せいぜい
2〜3センチ。逆に、ホールクロックやグランドファーザークロックなど
大型の置時計や大きな掛時計では、僅かに1cmほどしかありません)
そしてその先に、新たな鉄の部品を継ぎ足して振り子を下げるのです
直接振子が付けられると、微妙に揺れが生じて、時計は止まりました
恐らく、作られた当初から、この不具合は今と同じだったのでしょう。
さて、問題の部品があまりにも単純なため、その修復は微妙でしたが
時計修理の常識にとらわれないで、私がよかれと思う方法を試したら
突然、命を取り戻し、元気に動き出したのです。
振り竿が無く、この長い長い振りペラだけで振り子を動かします。
円筒形の鉄の塊、これが振り子です。
橋本時計店では、エンパイヤ−(EMPIRE)のような古い英国製の置時計はもちろん、舶来時計と呼ばれた小さな南京虫(ゼンマイ式アンティーク腕時計)のオーバーホールから、大きな大型振子時計(フロアクロック、ホールクロック別名グランドファーザークロック)の出張修理。また、ウォルサムなどの懐中時計や、昔の置き時計(ウエストミンスターチャイム)、鳩時計、柱時計の愛称(壁掛け)掛け時計、いわゆる古時計を修理します。更にブローバやオメガの音叉式腕時計。音叉掛時計やクオーツでない古いタイプの電子時計、電気時計もオリジナルを変えずに修復修理いたします。年中無休です。
20161205 修理履歴 オーバーホール